パパさんです。妻、娘1人、犬1人と一緒に暮らしています。地方の病院で臨床検査技師をしております。検査技師のことだけでなく、子育てやワンちゃんとの生活、資産運用(投資)のことなど様々なジャンルについてお話します。
今回はタスク・シフト/シェアに関する厚生労働大臣指定講習会に参加してきましたので、そのレポートをしていこうと思います。名前だけ聞くとなんかすごく堅そうな雰囲気の講習会ですが、要は医者の業務を分散して楽をさせてあげましょーと開かれた講習会です。今年の国家試験を受ける学生さんやまだ受講していない検査技師の皆様の参考になれば幸いです。ちなみにですが…この講習会に参加するまでが実はすごく大変です。700時間分の講義をweb上で受けて、確認テストを実施してそれに合格した人のみが受講できます。テスト自体は〇×で50%の確率なのですが、テストと並行してキーワードを記入しないと確認テストを受けることすらできません。しかも、これは都道府県によってキーワードが異なっている可能性があるので注意が必要です。
講習会が開かれることとなったきっかけ
そもそもなぜこのような講習会が開かれるようになったかのきっかけをお話していこうと思います。通常国会で「良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を推進するための医療法等の一部を改正する法律(令和3年法律第49号)」の成立により、臨床検査技師等に関する法律の一部が改正され、令和3年10月1日から施行されることになりました。難しい言葉が並べられていますが、医者の業務量が莫大で平均残業時間がすごいことになっているから、他の医療従事者で負担を分散していきましょうということです。この講習会が開かれるまで知らなかったのですが、医者の勤務時間は私が予想しているよりかなり多かったです。医者の労働時間は以下の表のようになります。一般的に過労死のラインとされるのが月80時間以上とされています。週40時間が通常で月に4週以上あるとすると労働時間が60時間以上が過労死ラインになります。医者の40%が過労死ラインで働かれているということですね。このような実態を是正するためにも講習会が開催されることとなりました。
内容
臨床検査技師にかかわるもので業務拡大されたものは14点あります。
- 心臓・カテーテル検査、治療における直接侵襲を伴わない検査装置の操作
- 負荷心電図検査等における生体情報モニターの血圧や酸素飽和度の確認
- 持続陽圧呼吸療法導入の際の陽圧の適正域の測定
- 生理学的検査を実施する際の口腔内からの喀痰等の吸引
- 検査にかかる薬剤を準備して、患者に服用してもらう行為
- 病棟・外来における採血業務
- 血液製剤の洗浄・分割、血液細胞(幹細胞)・胚細胞に関する操作
- 輸血に関する定型的な事項や補足的な説明と同意書の受領
- 救急救命処置の場における補助行為の実施
- 細胞診や超音波検査等の検査所見の記載
- 生検材料標本、特殊染色標本、免疫染色標本等の所見の報告書の作成
- 病理診断における手術検体等の切り出し
- 画像解析システム等の操作等
- 病理解剖
結構多いですね。それだけ医者が仕事していたということですね。輸血分野においては、8.9が関係しています。各々関連する分野が違うので詳細は確認しておきましょう。タスクシフトの講習会を受けていないと、ハーベスト、細胞処理をすると法律違反になるということですかね。気をつけましょう。
対象者
対象者は、現在の臨床検査技師全員はもちろんのこと、学生も講習会を受けないといけない学年があるようです。令和6年4月1日前に臨床検査技師試験に合格した学生さんも対象になるようですね。2023年と2024年に臨床検査技師の国家試験を受ける学生さんも対象ということでしょうか?少し分かりにくいですね。知っている方、コメントいただけるとありがたいです。
参加費用
参加費用ですが、日本臨床検査技師会会員は15000円、非会員は40000円になります。これ普通に高すぎですよね。もう少し安くできると思うんですが…。病院によって、費用を出してくれるところと出してくれないところがあるようです。自腹ですとなかなかきついですよね。
感想
やはり一日缶詰め状態はしんどいですね。一応、座学だけでなく実技も行われましたが…。ほとんど座学と思ってもらって大丈夫です。前回の検体採取は2日あったので、それに比べたらマシでした。2日は休日が丸々潰れてしまいますからね。これで晴れて、堂々とハーベストや細胞処理を行うことができそうです(笑)。
最後に
このように国試を合格した後でもこういった講習会に参加していかないと、どんどんおいてかれていきます。この講習会を参加していないとできない業務が増えていくのでついていくだけで大変ですよね。子育てをしながら丸一日つぶれる講習会に参加するのは正直大変ではありますが、頑張ってついていきたいと思います。
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